春雨はるさめ

デンプンを材料ざいりょうとした麵状めんじょうの乾燥食品かんそうしょくひん

「春雨はるさめじゃ濡ぬれて行いこう」。これはある古ふるいドラマのなかで月形半平太つきがたはんぺいたという侍さむらいが、傘かさをさしかける芸者げいしゃに対たいして言いう有名ゆうめいなセリフです。春雨はるさめとは、その字じのごとく春はるの細こまかい雨あめのことですが、「細こまかい春はるの雨あめに傘かさなんか要いらない、濡ぬれて行いこうじゃないか（それが風流ふうりゅうというものだ）」という粋いきな心持こころもちを表あらわしていると言いえるでしょう。転てんじて、たまたま振り出ふ　だした小雨こさめだが、あいにく傘かさを持もっていないというときに、「ええい！春雨はるさめだ、濡ぬれて行いこう」というふうに使つかいますが、そうすることで、雨の中あめ　なかを気持きもちよく歩あるくことができるわけです。ともあれ、この「春雨はるさめ」という食べ物た　ものの名前なまえには詩的してきな響ひびきがあり、するすると喉のどを通とおっていくなめらかさをよく表現ひょうげんしています。春雨はるさめは、すき焼やきをはじめとする鍋料理なべりょうりやソテー、お酢すを使つかったサラダなどに欠かかせない食材しょくざいです。

春の雨はる　あめになぞらえて。	春雨はるさめを使つかったサラダ。

春の雨はる　あめになぞらえて。 春雨はるさめを使つかったサラダ。