Kanten
かんてん, 寒天
海藻の粘液質を凍結・乾燥させたもの
1658年のある冬の日のこと、京都の旅館「美濃屋」の主人、太郎左衛門はお客の大名にトコロテン(海藻から作った食べ物)をふるまいましたが、たくさん作り過ぎて余ってしまったので、戸外にそれを廃棄しました。ところが、その捨てたトコロテンは夜になると凍り、昼になると解けて、2、3日すると乾燥した状態になっていました。不思議に思い、ためしに拾って煮てみると、なんと、海藻の臭いも消えて、上品で美味しい食品ができ上がったのです。これが寒天と呼ばれるようになったわけですが、そのなめらかな、ゼリーのような食感から、羊羹やみつ豆(果物や白玉だんごなどを黒蜜と混ぜたデザート)など、和菓子の材料としてよく使われています。また、卵の白身を泡立てたメレンゲを加えた寒天は淡雪寒天と呼ばれ、春の淡い雪が解けていくように、ほんのりとした甘さが広がります。
(写真:泡立てた卵白を加えた淡雪寒天。)
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