Katakuri Ko
かたくりこ, 片栗粉
ジャガイモなどから作られたでんぷん粉
筆者がまだ幼いころ、祖父が病気で床についていたときのことです。伯母のみや子が弱った老人でも食べられるものをと、「片栗粉」を使った不思議な食べ物を作っていました。お椀に片栗粉を入れて、お湯を注ぎかき混ぜるだけで「はい出き上がり!」の簡単なもので、どこか糊に似て粘りっけがあり、かすかに甘い味がします。味見してみて「美味しい」と言うと、私にも作ってくれたのを思い出します。それ以外の片栗粉の思い出は、子供のころの大好きなイベントのひとつ「餅つき」です。子供たちの役割は、大人がついた餅を丸めること。まず、餅がくっつかないように、テーブル全体に片栗粉を敷いて待機、やがて、湯気のあがるつきたての餅を抱えた大人がそれをどんと片栗粉の上に置き、少しずつちぎって子供たちに渡してくれます。それを「熱い熱い!」と言いながら片栗粉で真っ白になって丸めたものです。もちろん、片栗粉の用途はそれだけではなく、スープやソースに加えることで厚みやとろみを出すことができます。本来は、カタクリという植物から作られるものですが、最近では、ジャガイモなどのでんぷんから作ることも多くなっています。
(写真:市販の片栗粉。)
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