Last update December 22, 2020
どこがヘン?を徹底解析
(※画像はイメージです。)

子供っぽい表現

これは個人的な経験ですが、相棒のアメリカ人コピーライターがよく言っていたのが「日本人は可愛いモノが好きなんだから…」ということ。つまり、彼らにしてみれば、マンガ的なイラストやピンクなどの色使いは幼稚園児向けの表現であり、成人向けには幼稚すぎるとのことです。日本語のカタログのデザインをそのまま英語版で使ったりすると、英語圏の担当者から「カタログを見る人はビジネスマンなのだから、このマンガチックなイラストはやめてくれ」といった声が上がってきたこともあります。日本でも見るのはビジネスマンなのですが、ここら辺も感性の違いでしょう。

イラストはさておき、英語の表現レベルでも、英語圏の人にとって幼稚さを感じさせるものがあるようです。その背景には、横文字なら何でもいいから入れておこうということで、誰でも知っているような簡単な表現― How are you? とか Have a nice day! などといった文章を使うということも関係があるかもしれません。また、そういった簡単なフレーズとからめて、「○○くん」のような可愛いマスコットのイラストがあしらわれていたりすると、相乗効果で、より子供っぽくなるのかもしれません。



幼稚な表現例として、以下のような傾向が見られます。

 その傾向 

●擬人化による表現

マスコット・キャラクターが出てくること自体が「擬人化」なのですが、そのマスコットに何かをしゃべらせようとするところから幼稚さが出てきます。

●文体が幼稚

これは、英語が母国語ではないため、仕方ないのですが、文法的な間違いも混ざっています。





ミスマッチ どこがヘン?
How are you? Have a nice day! レモンくんのようなキャラクタが出てきて、スマイル顔やウィンクしながらこんなフレーズをしゃべっているという想定ですが、確かに、大の大人(それもおじさん)が使うのはちょっとツライものがあるかもしれませんね。まあ、たいていのおじさんたちは選ばないと思うので問題ないのでしょうが。
MY NAME IS TOM TOM AND MOTHER'S NAME IS MOM MOM
WE ARE FRIENDLY FAMILY
IT'S A PLEASURE TO MEET YOU
コアラの母子のイラストにあしらわれている英文です。可愛いですね。でも、やっぱり子供向けですね。また、他のページでも述べていますが、メッセージが「私」や「私たち」という一人称になっている点も子供っぽさを出しているのかもしれません。また、すべて大文字のメッセージも、人によっては「がなり立てているようでウルサイ」と感じる人もいます。

子供っぽいものは絶対に避けるべきだとは言えませんが、こういった見方もあるということで、やはり、英語の文章を掲載する場合は、それなりの注意を払ったほうがいいのではないかと思います。