Last update December 31, 2022


Comma , コンマ (6)


6.  複数の同等の形容詞が続く場合に使用。   戻る


複数の形容詞が続く場合であっても、厳密には、「等位形容詞」は coordinate adjectives という形容詞が続く場合にコンマを使います。

では「等位形容詞」とは、いったいどんな形容詞かというと、同じ名詞を修飾する同等レベルの形容詞たちということになります。

つまり、わかりやすく言えば、ひとりのボスによいしょする同じ地位の子分たちというところでしょうか?この場合、子分たちはボスにとっては同等の部下であり、みんな一様にボスを修飾(よいしょ)するわけです。ヘンな例えになってしまいましたが、実際の例文で見てみると、

 He is a tall, strong, handsome man.

文中の赤い文字の部分が等位形容詞です。確かに「背が高い」だの「ハンサム」だのと man という名詞(=ボス)をよいしょしていますが、それぞれの形容詞の後に名詞をつけて表現してみても内容的に意味が変わりません。

つまり、a tall man, strong man, handsome man となるわけです。言い換えれば、tall, strong, handsome という3つの形容詞がお互いに修飾せずに、名詞である man だけを個別に修飾しているというのが、等位形容詞の特徴です。こういった形容詞が続く場合はコンマをつける必要があります。ただし、最後の等位形容詞の後にはコンマはつきません。

もう少し例を見てみましょう。

 He was a stubborn, difficult person.
 It was a dark, silent, empty room.
 The efficient, business-like secretary received an advance in pay.
 She had an innocent, happy, infectious smile.

では、こういう場合はどうでしょう。

 The five silver spoons were very expensive.
 We saw a beautiful, bright full moon.

まず上の文章ですが、形容詞の five  silver は同等のレベルで名詞の spoons を修飾しているものではありません。five  spoons に直接掛かっているのではなく、あくまでも silver spoons を修飾しています。

また、最後の文章の beautifulbright は同等レベルだと言えますが、full は「満月」を意味する a full moon の一部ですので、beautifulbright とは同等と言えません。よって、コンマは同等である beautifulbright の間にのみ使っています。

組織にたとえると、等位形容詞の場合は、ひとりのボスに対して並列の数人の子分、つまりフラットな組織ですが、five, silverbeautiful, bright, full の場合は並列の子分ではなく、子分の下に子分がいるといったピラミッド型の組織であるといえるでしょう。

というわけで、複数の形容詞が続く場合であっても、それが等位形容詞であるかを見極めたうえでコンマを使う必要があるということです。