BMW かポルシェか―今日も、しっかり壊します。
ドイツの高速道路警察 (Autobahnpolizei) のドラマである。
筆者はドイツ語は全然ダメで、カタコトで「ダンケ」(Danke = Thank you)とか「オフィダゼン」(auf Wiedersehen = Good bye)、実際には使ったことはないが「イッヒ・リーベ・ディッヒ」(Ich Liebe Dich = I love you)くらいしか言えないので、字幕がなければさっぱりわからない。
さて、ストーリーは、スタスキー&ハッチ (Starsky & Hutch) のような二人組みの刑事が犯人を追って大活躍する高速道路警察版―というと、まあ、それも近いかもしれないが、何といってもこのドラマの見どころはカー・アクション (car action)。と言っても、犯人を追うカー・チェイス (car chase) だけでなく、クルマ自体が命がけの演技、つまりクラッシュ (car crash) して廃車になってしまうというわけである。
よって、このドラマの主役は二人組みの刑事というよりは、クルマかもしれない。
二人が懸命の捜査によって、犯人を追い詰め、やっと逮捕か!犯人に手錠をかけ、おもむろにパトカーに乗せて一件落着、やれやれ―といった普通の展開が許されないのがこのドラマだ。観ている者からすれば、「あ、そこで逃がすか」「ぐずぐずしないで逮捕したらいいのに」などというツッコミを入れたくなるのだが、そう、このドラマはアウトバーン(高速:Autobahn) モノだということを忘れてはいけない。二人組みには決して犯人を捕らえることはできない。してはいけないのだ、高速に乗るまでは…。
そしてお待ちかねの「高速びゅんびゅん」シーンが始まる。行け行け、それ!そこだ、ほれ!あれ!などと言っているうちに、空中に舞い上がるクルマ、爆音とともに炎上するトラック… おおっ!うわ~っ!と思わず叫び声がもれる。
派手なスピンや炎上で壊れてしまうクルマにとってはかわいそうだが、「今日はゴルフ (Golf) がクラッシュか?」、「お、あのポルシェ (Porsche) も危ないぞ」、「やっぱり、型式の古いヤツから壊すか…」など、クルマ好きにはいろんな楽しみ方ができそうだ。
ちなみに、シーズン6までで、壊されたクルマの内訳は
乗用車 532 台(一話平均 5.78 台)
トラック 51 台(一話平均 0.55 台)
バス 5 台(一話平均 0.05 台)
バイク 12 台(一話平均 0.13 台)
ということである。シーズン12まで続いているので、犠牲車はまだまだ増えそうである。
下記はドラマの紹介ビデオ。