わたしはベティ、不細工です (Yo soy Betty, la fea) (2)

そりゃいかんでしょう、 アルマンド (Armando) さん。

ということで、このヨ・ソイ・ベティ・ラ・フェア(不細工ベティ)の中で、ベティが想いを寄せているのが、このドン・アルマンド (Don Armando:Don は男性のファーストネームの前につける敬称。女性なら Doña をつける) ことアルマンド・メンドサ (Armando Mendoza) であるが、どうも、このお兄さん、「それはいかんでしょう」と思ってしまう。

すぐ感情的になって怒鳴る、ケンカをする、人の日記は読む… こんな男とたとえいっしょになってもロクな結果にならないのではないかと思ってしまうのだ。こんな男はやめて、カルタヘナ (Cartagena:海岸沿いのリゾート地) から訊ねてきたフランス人のミッシェル (Michel) にしといたらいいのにと思うが、ラテンの国ではこういう男性がいわゆるマッチョ (macho) でカッコイイのかはわからないが。しかし、また、このアルマンドさん、すぐ泣くのである。まあ、情熱のラテンということで、いかにも、それらしいのかもしれない。

そして、情熱のラテンはやはり熱い。

よく聞く話だが、イタリアを含めて、ラテン系の国では、好きな女性の部屋の窓辺でセレナーデ (serenade) を歌うという伝統がある。自分の歌に自信がなければプロに頼んで歌ってもらう。日本でも平安時代の昔、和歌を交換して想いを伝えたりしていたようだが、あくせく働く必要のなかった貴族の間でのことで、ヒマがなければこんなことはできない。さすが、「アスタ・マニャーナ」(Hasta mañana:「明日があるさ」という意味のスペイン語) の国、時間はたっぷりありそうだ。

で、話はそれたが、アルマンドが歌手のリカルド・モンタネール (Ricardo Montaner) に頼んで歌ってもらったのがベサメ・エン・ラ・ボカ (Besame (en) la Boca) という歌で、これがなかなかよかった。

ここで、恒例のスペイン語解説をしておくと、Besame (= Kiss me)、(en) la Boca (= (in) the mouth) ということで意味はおわかりいただけるかと思う。

ふ~ん、アルマンドさん、なかなか味なことをやるな、さすがラテンというわけで、筆者も既婚者であるため、むやみに「ベサメ」にはお応えできないが、一度歌われてみたいと思う歌である。

ちなみに、聞いてみたいという方は下記のurlへ。スペイン語の字幕入りなのでいっしょに歌ってみることもできる。

https://www.youtube.com/watch?v=pgv9HPP2OV0