4400-フォーティ・フォー・ハンドレッド (The 4400: the forty-four hundred)

もし、いま、このブログを読んでいるあなたのところへ、突然まばゆい光のようなものが現れる。そして、「あれっ?」と思った次の瞬間、あなたはまったく知らない時代と場所にいたとしたら…?

両親もとうに亡くなっていない。知っている人もいない。住んでいた場所もない。すっかり変貌をとげた街並み。見たこともないような機械や技術。

どうも自分のいるのは未来らしい。

そういえば、あれはかって同級生だった友人。もうすっかりいいおじいさんになっているのに、自分はまったく年を取っていない。しかし、確実に、いつの間にか時間が経過している未来の世界。

自分はいったい何なのか、何が起こったのか?この何十年間、何をしていたのか、どこにいたのか?

すべてが謎。

エイリアン (alien) による誘拐 (abduction) なのか、たちの悪いマジックなのか、それとも夢を見ているのか。

こんな、浦島太郎のような不思議な出来事に遭遇してしまったのが、この4400人の人々だ。しかも、すべて同じ時代から来たのではない。あの人は50年前、この人は3年前、というふうに、それまでに生きていた時代もバラバラだ。

しかも、知らないうちに、不思議な超能力が備わっている。

ある者には未来を予知できる能力が、ある者は「怒り」を感じるだけで建物を破壊したり、人を殺めることができる。治癒能力を持つようになった者もいる。身に覚えもないのに、いつの間にか、お腹の中に赤ちゃんがいる女性もいる。

誰の仕業なのか、何のための超能力なのか。自分は、これから、どう生きたらいいのか…。

一切が不明である。

そして、その一切の謎を解くカギとは…?

下記はストーリーを紹介したトレイラービデオ。

https://www.youtube.com/watch?v=8Wey_sso-fk

アラーム・フォー・コブラ 11 (Alarm für Cobra 11 – Die Autobahnpolizei)

BMW かポルシェか―今日も、しっかり壊します。

ドイツの高速道路警察 (Autobahnpolizei) のドラマである。

筆者はドイツ語は全然ダメで、カタコトで「ダンケ」(Danke = Thank you)とか「オフィダゼン」(auf Wiedersehen = Good bye)、実際には使ったことはないが「イッヒ・リーベ・ディッヒ」(Ich Liebe Dich = I love you)くらいしか言えないので、字幕がなければさっぱりわからない。

さて、ストーリーは、スタスキー&ハッチ (Starsky & Hutch) のような二人組みの刑事が犯人を追って大活躍する高速道路警察版―というと、まあ、それも近いかもしれないが、何といってもこのドラマの見どころはカー・アクション (car action)。と言っても、犯人を追うカー・チェイス (car chase) だけでなく、クルマ自体が命がけの演技、つまりクラッシュ (car crash) して廃車になってしまうというわけである。
よって、このドラマの主役は二人組みの刑事というよりは、クルマかもしれない。

二人が懸命の捜査によって、犯人を追い詰め、やっと逮捕か!犯人に手錠をかけ、おもむろにパトカーに乗せて一件落着、やれやれ―といった普通の展開が許されないのがこのドラマだ。観ている者からすれば、「あ、そこで逃がすか」「ぐずぐずしないで逮捕したらいいのに」などというツッコミを入れたくなるのだが、そう、このドラマはアウトバーン(高速:Autobahn) モノだということを忘れてはいけない。二人組みには決して犯人を捕らえることはできない。してはいけないのだ、高速に乗るまでは…。

そしてお待ちかねの「高速びゅんびゅん」シーンが始まる。行け行け、それ!そこだ、ほれ!あれ!などと言っているうちに、空中に舞い上がるクルマ、爆音とともに炎上するトラック… おおっ!うわ~っ!と思わず叫び声がもれる。

派手なスピンや炎上で壊れてしまうクルマにとってはかわいそうだが、「今日はゴルフ (Golf) がクラッシュか?」、「お、あのポルシェ (Porsche) も危ないぞ」、「やっぱり、型式の古いヤツから壊すか…」など、クルマ好きにはいろんな楽しみ方ができそうだ。

ちなみに、シーズン6までで、壊されたクルマの内訳は

乗用車 532 台(一話平均 5.78 台)
トラック 51 台(一話平均 0.55 台)
バス 5 台(一話平均 0.05 台)
バイク 12 台(一話平均 0.13 台)

ということである。シーズン12まで続いているので、犠牲車はまだまだ増えそうである。

下記はドラマの紹介ビデオ。

https://www.youtube.com/watch?v=MUQkAH8rrZA

ビクトリア (Victoria)

これは、たまたまテレノベラの作品を検索していて見つけたドラマであるが、その名もずばり、「ビクトリア (Victoria)」である。

と言っても、もちろん前述の「ビクトリア~愛と復讐の嵐」のビクトリアとは別のドラマ。日本には紹介されていないので邦題はない。以前に紹介した「不細工ベティ」(Yo soy Betty, la fea) の邦題「愛と裏切りの秘書室」、「ビクトリア~愛と復讐の嵐」にならって「愛と○○の××」というノリで無理やりつけるとすれば、ややコミカルな響きだが「愛とよろめきの迷路」とでもしておこう。

主人公のビクトリア・サンティステバン・デ・メンドーサ (Victoria Santistevan de Mendoza) は50歳をむかえた熟年女性。会社を経営する夫エンリケ・メンドーサ (Enrique Mendoza) との間に三人の子供たちがいる。愛する家族や約40年来の二人の親友エレナ (Elena) とカミラ (Camila) に囲まれ、何不自由ない平穏な人生。そんな幸せな生活がこれからもずっと続くはずだった。

ところが人生とは皮肉なもの。夫との25周年の結婚記念日の日、夫に20歳も年下の愛人がいることが発覚する。ここからビクトリアの苦悩が始まる。結局、夫は家を出て愛人のもとへ走り、子供たちにもいろんな問題が起こっていく。

これが日本の現代の感覚なら、「そりゃ、エンリケさん、あなたが悪い、身勝手すぎます」ということになるが、そこは男尊女卑の考え方が残るラテンアメリカ(時代はもちろん現代である)。妻が至らないから夫が他の女性のもとに行くのだ―という理屈なのだ。彼女の実の母がまたうるさい。日本で言えば昭和一ケタをも通り越して明治時代の感覚で生きている骨董品のような老女である。娘の苦しみなどわかろうともしない。

そして、子供たちのいろんな問題。末娘のマリアナ (Mariana) は学校をサボったり、麻薬に手を出すようになるが、母親のビクトリアには心を開こうとしない。とにかく、生意気でずる賢い「魔女」のような娘である。また、上の娘のパウラ (Paula) は未婚ながら妊娠。急きょ結婚することになるが、「できちゃった結婚」改め「授かり婚」で、「ダブルのお目でた」などと言ってもらえる日本とは違う。またぞろ、実の母や夫が出てきて「お前(ビクトリア)がしっかりしていないから云々… こんなふしだらな…」などとのたまう。実の母はともかく、エンリケ、あんたは言えた義理じゃないだろう!と思ってしまうが、やはり、そこは「男はOK、女はダメ」のお国柄である。

そんなところへ登場するのが、ビクトリアを「理想の女性」だと崇拝する若い男性ヘロニモ・アコスタ (Jerónimo Acosta) である。毎日のように電話をかけてきては、片思いの胸のうちを訴える。

観ている者としては、「あ、ちょうどよかったやん」なんてことになるが、話はそんなに簡単には展開しない。筆者の友人にも20歳年下の男性に求愛され、結婚した女性がいるが、これまた日本とは異なり、「男はOK、女はダメ」の文化である。そうこうしているうちに、自分の息子サンチアゴ (Santiago) が、え… 友だちのカミラと…? なんてことで、迷いと苦悩が交錯する。

ともあれ、日本で言えば、よく昭和30年代のお母さんたちが観ていたライオン提供(?)奥さま劇場―俗称「よろめきドラマ」になんとなく似ていなくもない(観ていたわけではないが)。夫はよろめき、子供も友人もよろめき、そして、彼女もついにヘロニモ・アコスタと…? 昭和30年代のお母さんじゃないが、ちょっとだけ楽しみである。

下記はドラマを紹介するトレイラービデオである(英語の字幕つき)。

https://www.youtube.com/watch?v=wAPOOtJBUes

新スタートレック (STAR TREK NEXT GENERATION) (3)

ついに、あの恐るべきボーグ (Borg) が登場した。

「我々はボーグだ (We are the Borg.)」
「お前たちを同化する (You will be assimilated.)」
「抵抗は無意味である (Resistance is futile.)」

といった口上を述べていきなり現れ、そこにいる人々を連れ去り、強引に改造してしまう。スタートレック・ヴォイジャー (STAR TREK VOYAGER) の舞台となっているデルタ・クアドラント (Delta Quadrant) という区域で発生した彼らは、それまではもっぱらデルタ区域を縄張りとしていたが、ぼちぼち他の区域まで範囲を広げ、改造すべき新しい生命体を求めて宇宙全体をうろうろし始めたようだ。

そもそも、ボーグとは、蜂の巣のような巨大なコントロールセンターを中心に、いろんな人種 (humanoid species) を同化 (assimulate) したボーグ・ドローン (Borg drone:drone は本来ミツバチの雄) 集団を制御し、さらなる同化をめざす集合体 (collective) である。そして、コントロールの中核にはボーグ女王 (Borg queen) がいる。また、ボーグが同化するのは、人種だけでなく、宇宙船の技術などもすべて取り込んでしまう。しかも、武器で攻撃をしかけても1、2度の攻撃でその武器に対しても抵抗力を持つという恐るべき「適応性」 (adaptability) を備えている。

とにかく、このボーグに見つかったら逃げるすべはない。おとなしくボーグ・ドローンに改造されるしかなさそうである。ちなみに、ショッカーの改造人間である仮面ライダーは、変身していないときは普通の人間の姿だが、ボーグに改造(同化)されてしまうと、機械のような部品を埋め込まれ、趣味の悪いぶさまな格好になってしまう。

それだけではない。

これまで人間として生きてきた自分自身の記憶や意識も消され、ひとつの集団マインド (collective mind) のなかにガッチリと組み込まれ制御される。お互いのボーグ同士もすべてセンターを通じて接続された状態になり、技術や情報がすべて共有される。

身近な例でたとえると、こんな感じである。

ある日、あなたは道を歩いている。
そこへいきなり、何者かが現れ、
「我々はボーグ株式会社だ。お前を社員にする」(ま、ちょっとうれしいかも…)
「そんな、いきなり、だって私は○×商事の社員です!」
「言い訳は無関係だ(irrelevant)」
「悪いけど断るよ」
「抵抗は無意味だ、お前を同化する…」
「あ~れ~っ!!!」
「悲鳴は無関係だ」

なんてことで、数時間後、あなたは、巨大なボーグ生産ラインに組み込まれ、片目に埋め込まれたセンサを使って部品を検知したり、ドライバになった右手を使ってネジを締めたり緩めたり… ラインの向こう側には、パソコンと一体化した仲間もいて、マウスになった右手を動かしたり、右クリックのかわりに右目ウィンク… なんてことで昼夜休みなく働き続ける。もちろん、給料もボーナスも要らない。もうあなたには個人としての意識もない。そう、あなたはもうボーグ。そして、今日も、同化される生命体が次々とラインを流れてくる…。

ひょっとして、ボーグという創造物は、会社という組織に歯車として組み込まれ、個人としてではなく、全体のチームとして機能する日本企業が発想のヒントになったのだろうか―などということを考えたこともある(実際のところは知らないが)。

ということで、恐るべきボーグの世界をのぞいてみよう。

https://duckduckgo.com/?q=we+are+the+borg&atb=v95-1&ia=images&iai=AyenRCJ_4Ww&iax=images

デッド・ゾーン (The Dead Zone)

人と握手するたびにその人の過去や未来が見えたら…?

はっきり言ってやってられないだろう。

それも、「お、この人、餃子食べてきたな」(ま、臭いでもわかるが)くらいならいいが、「この人、今日は出かけると交通事故に遭って死んでしまう」というようなときは大変だ。

世の中、予知能力 (premonition) や透視 (psychic vision) に対して、偏見も持たず(open-minded)、積極的に理解を示してくれるという人は少ない。

「だめだ!行ってはいけない!」
「はぁ?」
「今日は出かけてはいけない」
「なに言うてますのん?これから大事な仕事の打ち合わせですやん」
「だから、出かけるなってば」
「いきなり初対面のあんたにそんなこと言われたないわ」
「今日出かけると、あなたは… 死にます」
「なにを縁起でもないことを… ちょっとこの人おかしいわ」

なんてことで、「そうですか、はいわかりました。ご忠告ありがとう」などと言ってくれる人はいない。超能力者 (a psychic) もそんな気楽な存在ではないのである。

さて、主人公で超能力者でもあるジョニー・スミス (Johnny Smith) は、かっては地元の高校教師として平凡な生活を送っていた。ある日交通事故に遭いこん睡状態になり、6年後、奇跡的に目覚めたときにはすべてが変わっていた。彼の生活も、まわりの人々も、そして彼自身も…。

これが、物語のスタートである。
そして、エピソードを重ねるにしたがって、彼の超能力は、実は偶然ではなく大きな運命的な流れに動かされているのではないかと思わせる方向へゆっくりと話が進んでいく。彼の後見人となっている、一見善良そうな牧師パーディ (Purdy) やいかにも腹黒そうで誠実さの感じられない政治家スティルソン (Stillson)、彼らが燃やす野心の炎は世界を破滅の方向へと導いているかのように感じられる。

ちなみに、ディスカバリチャネル (Discovery Channel) などでもよく特集しているのが、アメリカで徐々に取り入れられてきているのが超能力者を使った捜査。もちろん、「事件だ!それ、超能力だ!」といった安易なものではなく、どうしても糸口がつかめない、解決できない事件に対して、超能力者による透視や感じたことなどに参考に捜査を行い、事件を解決したという例もあるようである。やはり、人間が普段使うことのない、あるいは、意識していない未知のゾーン(Dead Zone)を使うことで、いろんな事柄が明らかになってくるのかもしれない。

下記はドラマを紹介したトレイラービデオ。

https://www.youtube.com/watch?v=qAFN8M4yBrY

新スタートレック (STAR TREK NEXT GENERATION) (2)

ところで、「新スタートレック」を観ていて思わず笑ってしまう部分があった(とは言え、もちろんコメディーではない)。

何年も疎遠 (stranged) になっていたウィリアム・ライカ (William Riker) の父、カイル・ライカ (Kyle Riker) が突然エンタープライズ (Enterprise) にやってくるが、二人の間には長年の確執があり、その溝はなかなか埋めようもない。というところからエピソードは始まるが、この父子がある格闘技 (martial art) を通じて再び心通わせるという展開である。その「格闘技」がなかなかおもしろい。

この格闘技の名前は anbo-jyutsu というもので、どうもそのルーツは日本らしい。「アンボー・ジュツ」とそのまま発音し、「ジュツ」は「術」だろうという推測がつくが、「アンボー」とは「安保」かはたまた「安棒」(??)なのか、いろいろ頭を悩ませてみたが、たぶん、製作者もそこまで考えていないだろうということで漢字を当てるのは断念した。

で、どういう内容のものかというと、円形のリング上で鎧 (armor) や兜 (helmet) (と言っても西洋風)をつけて闘うのだが、ヘルメットのバイザー (visor) で相手は見えないようになっている。武器 (weapon) は先端に近接センサ (proximity sensor) がついているこん棒 (staff) のようなものを使う。この近接センサが相手の動きを感知 (detect) するわけだ。そして、英語なまりでよく聞き取れないが「よろーしーくおねがーまーうす」(よろしくお願いします)と声を発してからおもむろに闘技を始め、途中で「まーてっ」(「待て」)などという発声もある。

ん?なんだ、なんだ?日本にはこんな格闘技はないぞ(まあ、未来のことはまだわからないが)… などいろんなことを考えながら観ていると、競技者のヘルメットに「空」なんて漢字が手書きのような文字で書かれている。まさに「はん?」という感じである。しかも、よく見るとリング台の中央にこれまた漢字で「星」。まあ、スター(星)トレックやからなあ~ と思ってみると、なに?「地」や「水」、そして「火」もある… なるほど、これは宇宙をつかさどる5つのエレメント「地水風火空」 (ground, water, wind, fire, sky) で『五輪書』(The Book of Five Rings) の引用かと感心していると、いきなり、カタカナで「ユリ」(百合?)。その他にも、一瞬なのでよく見えなかったが「…タル」「…せいやつ…」などといった意味不明の文字が書かれている。

一体この世界は何なんだ!と、そちらのほうに気を取られてしまって話の展開を追うのもそこそこに、終わると同時に即スタートレック関連のウェブサイトで確認してみると、周囲に書かれていた意味不明の文字は、「ラム」、「アタル」、「うるせいやつら」ということで、ご存知日本アニメの「うる星やつら」からの引用なのである。

また、スタートレックの世界では、ちゃんとSS Urusei Yatsura「SSウルセイヤツラ号」という宇宙船もあり、22世紀のDY-430クラスの宇宙船で船長は David Glink。ちなみにこの「アンボー・ジュツ」、ライカの父カイルに言わせれば、「人類の究極の武術」なのだとか。

ということで、これが「アンボー・ジュツ」の世界である。

https://duckduckgo.com/?q=anbo-jyutsu&atb=v95-1&iax=images&ia=images

X ファイル (The X-Files)

かつて FOX で放映され、毎日のお楽しみだったのがこれ。お気に入りのドラマのひとつでもある。

幽霊から爬虫類男、家畜の血を吸い取るチュパカブラ、人のがん細胞を食って再生する男、そしてエイリアンと政府の陰謀… 数え上げればキリがない、ありとあらゆる不思議が登場。

と言っても「お化け屋敷」のような乱雑で低俗な内容ではない。

むしろ、あらゆる不思議な現象に対して知性と感性でアプローチする洗練されたドラマだと言える。また、世界各地の伝説や民間伝承からの引用も豊富で、セリフにもセンスがある。コンセプチュアルな内容が多いため、日常会話以上の語彙力も豊富で、英語の学習にも適している。

さて、X ファイルとは、通常の捜査では解決できない超常現象 (paranormal phenomena) を捜査するFBI内の部署。そしてそれを担当するのが、周囲からは変人 (spooky)と呼ばれているフォックス・モルダー (Fox William Mulder) 捜査官とその相棒デイナ・スカリー (Dana Katherine Scully)。幼い頃、妹をエイリアンに誘拐されたと信じているモルダーは、既成の概念を超越した前人未踏の領域に足を踏み入れながら、人生をかけて真実を追求し続ける。対して、あくまでも科学的根拠でアプローチしようとするスカリー。意見を対立させながらも、確かに、理論や理屈を超えた世界があるということを実感していく。

あると思えばあるかもしれない。でも誰もそれを証明できない。同時に、あり得ないということも証明できない。

あなたは信じますか?

心の目を開けば、見えるかもしれない、あなたにも。

真実はそこにある (The Truth is Out There)(キャッチフレーズ)

ということで、見るものをぐんぐんと不思議な領域に引き込み、一体どういうことなんだろう?と思わせておいて突然、話は終わるのが特徴。結局、誰も証明してくれない。解決してくれない。答えを出すのはそう、見ている自分自身。というより、答えはないのかもしれない。

またしても、「この手の話はあきませんわ」とドロップアウトする人もいる。しかし、「考える」ことの好きな人には、この宙ぶらりん状態はけっこう楽しく、思索の世界が広がる。

ちなみに、原産国アメリカではスタートレック (Star Trek) に次ぐ熱狂的なファンを持つドラマ (a cult television show) なのだとか。

下記はテーマ音楽の流れるイントロ部分。

https://www.youtube.com/watch?v=Vpqffgak7To

ビクトリア~愛と復讐の嵐 (Olvidarte Jamas)

原題は Olvidarte Jamas (オルビダールテ ハマス)、ベネズエラのテレノベラ (telenovela:テレビ小説) である。

ここで、恒例のスペイン語解説をしておくと、olvidar (= forget)、-te (= you)、jamas (= never) ということで、意味は「決してあなたを忘れない」。なんとも情念たっぷりのタイトルであるが、さすがに日本語ではフィットしないということなのか、邦題はちょっとレトロな雰囲気だ。

そういえば、「ベティ」の邦題も「愛と裏切りの秘書室」で、やはり、ラテンのテレノベラはこのタッチを踏襲するということなのか、なんとなくしっくり来ているような気もする。

さて、ストーリーであるが、主人公ビクトリア (Victoria) がかつて自分に対してひどい仕打ちをしたモンテロ (Montero) 一家に復讐を果たそうとするが、恋人ディエゴ・イバラ (Diego Ibarra) との愛に目覚め、本当の幸せをつかもうとする… といった筋書き。

なるほど、「復讐」と言うだけあって内容はけっこうどろどろしている。

それにしても、このドラマには善人、いや少なくとも普通の人はいないのか―と思わせるほど、ゴロツキのような人間が多い。農場を経営するモンテロ家の財産をめぐって、いやしく交錯する人間の欲望とおろかさ。

「アイツがいなければ財産は自分のものだ。よし、アイツを亡き者にしよう」
「あの女さえいなければ彼はわたしのもの。そうだ、あの女を始末しよう」

なんてことで、思考回路が短絡的である。非常にシンプルだがツメも甘い。計画に緻密さがない。あまりにも大ざっぱで、やはり、ここら辺もラテン気質なのか(あまりステレオタイプな見方もよくないが)。

また、テンポの速いアメリカのドラマに慣れてしまうと、ちょっと気になるのがシーン展開の遅さである。

あるシーンで、「どういうことなんだ?説明してくれ」などというセリフで終わって別のシーンに移る。そして別のシーンで10分ほど経過した後にまた最初のシーンに戻るが、「頼むから、説明してくれ」というセリフからスタート。「あれ?まだそこか」、「まだ説明してもらってないのか」なんてことになり、時間が行きつ戻りつしている。せっかちなタイプには、思わず「早く言ってくれ、時間がなくなる」と言いたくなるが、まあ、これはこれでひとつの表現法ということで。

しかし、はやり、ラテンは熱い。情熱的である。

恋人が撃たれた。大変なのはわかる。しかし、そんなに大変な箇所を撃たれてもなさそうだし、血もそんなに出ていない。落ち着こう、脈を取ってみよう… などと視聴者は思うのだが、恋人を抱きしめ、ひたすら「死なないでくれ!」と泣き叫ぶばかりの男。泣き叫ぶ前に救急車を呼べ!と思ってしまうのだ。とは言え、気が転倒しておろおろしてしまうというのがより現実に近いかもしれないが。

ということで、下記は、ドラマの主題歌を熱唱するメキシコの歌手・俳優であるパブロ・モンテロ (Pablo Montero) さんのビデオ。

https://www.youtube.com/watch?v=lwAQhgqJTmg

そして、ドラマを紹介したトレイラービデオ(スペイン語)。

https://www.youtube.com/watch?v=qO8yxLvXRks

名探偵モンク (Monk)

文句(もんく)ばっかり言っているのか、それともお坊さん (monk) が探偵に(?)ということではなく、ドラマの主人公である探偵の名前。

さて、「名探偵モンク」こと、エイドリアン・モンク (Adrian Monk) はサンフランシスコ警察 (San Francisco Police Department: SFPD) に所属する優秀な刑事だったが、ある日、愛する妻のトゥルーディ (Trudy) が自動車に仕掛けられた爆弾で殺されてからというもの、精神的に立ち直ることができず、自宅で3年以上も引き篭もり状態 (shut-in) を続けていた。

看護婦のシャロナ (Sharona) のおかげでやっと外に出られるようになり、今では彼女が助手という形で付き添いながら、SFPD の殺人課専属のコンサルタントとして社会復帰している。しかし、強迫性障害 (Obsessive-Compulsive Disorder: OCD) を持っているため、いろんな困難なことにぶち当たる。

と言うと、なんだか深刻で暗い物語のようにも思えるが、どうして、これがなかなかコミカルである。

彼の場合、強迫性障害が極度のきれい好き、整頓好きという形で現れている。したがって、

まず、人と握手ができない。
「はじめまして、○○です」と手を差し出す相手。
「ああっ… うう…」と困惑するモンク。
助手のシャロナに促されてやっと握手。即座にウェットティッシュで手を拭く。怪訝な顔の相手。
「いえ、あの、病気なんで…」

もちろん、家の中もきちんと片付いているのは当然のことで、置かれているものがゆがんでいても気になる。それが自分の家や持ち物ならいいが、そうもいかない。

たとえば、犯罪現場 (crime scene) でも、乱雑に置かれているものがあると、わかっちゃいるけど、つい…
「あ、モンク、頼むから触らないでくれよ、犯罪現場なんだからな」

はたまた、ふと見つけた「プチ・シート」。「ぷち、ぷち…」などと言わせながら現場検証。
「おい、行くぞ」
「あ、あの、ちょっと待って…」
このプチ・シート、つぶし始めたら最後までつぶさないと、く、苦しいんですっ… てなことで、そこは彼の事情をよく理解している警部、「しようがないなあ、おい、手伝ってやれ」なんてことに(?)。

しかし、こんな潔癖症が役に立つときもある。
たまたま犯人を目撃したモンク。「さっそく似顔絵を」ということになった。
「こんな感じですか?」
「う~ん、もっと大きくてふっくらしてて…」
「じゃ、こうですか?」
そして、かなりの時間が経過。
「そこはもうちょっとこうで… うん、そうそう」
「あのー、ところでモンクさん、まだ似顔絵、犯人の片耳しかできてないんですけど」
「だって、私は片耳しか覚えてないですよ」
「ええっ~?」
「いや、耳は顔と同じで、この世の中に誰一人、人と同じ耳を持っている人はいません」

ということで、見事、「耳」だけで犯人を逮捕するモンク。いや、さすがに名探偵である。

下記はドラマを紹介するトレイラービデオ(うっ… それはイカンだろ)。

https://www.youtube.com/watch?v=mftbaaU82Uc

LOST (ロスト)

迷ってしまうおもしろさ、出口の見えない、そこは不思議な無人島。

ある日、ロサンゼルス (Los Angeles) に向けてオーストラリア (Australia) のシドニー (Sydney) を出発した飛行機が途中で墜落 (crash)。324人の乗客の中から72名が生き残った(コックピット:1名、中間部分:48名、後方部分22名、プラス犬一匹)。ここは、南太平洋 (South Pacific) のどこかの無人島 (a deserted island)… というところから話は始まる。

さて、島に取り残された生存者 (survivor) たちは、医者であるジャック・シェパード (Jack Shephard) を中心に、共同生活をしながら救助 (rescue) を待つ。たまたま同じ飛行機に乗り合わせた人々、そこには種々雑多な人間がいる。そしてそれぞれの過去がある。そんな人々がさまざまな人間模様を繰り広げながら、やっと待ちに待った救助隊がやってくる… といったよくある「感動のドラマ」というのではない。

南の島なのに北極グマ (a polar bear)?死んだはずの人があそこに立ってるぞ。あるいは、車椅子 (a wheelchair) 生活の人がここではなぜか立って歩ける、え?不治の病が治っている?など、起こるのは不可解なことばかり。ここは一体何なのか?天国なのか地獄なのか、それとも単なるイマジネーションの世界なのか?

そもそもこのドラマは何なのか?スリラーなのか、冒険モノなのか、それともミステリーなのか。

そして、救助は来ない。

あらゆる手立てを尽くしても来ない。

絶対に来ないのである。

一体、このドラマのエンディングはどう落とし前つけてくれるのか?

「この手のドラマはあきまへんわ」ということで、短気な人は早々にドロップアウト。探究心旺盛な物好きははまる。出口の見えない迷路にはまり、登場人物たちといっしょに今日も迷い、さまよっているのだ。

https://www.youtube.com/watch?v=KTu8iDynwNc